材料物性はモデルを作成する時の重要な入力項目です。ここでは、モデルに必要な材料物性値と、それらをモデルに設定するする方法について説明します。
材料特性
材料特性は、正確なシミュレーション結果を得るために重要な入力項目ですが、ユーザーが正確な物性値を常に把握できるとは限りません。OnScaleでは、材料物性データベースを提供しており、シミュレーションの出発点として使うには最適です。ただし、私たちが持っている特性は、実験で使用した実際の材料と異なる場合がある点をご注意下さい。OnScaleが提供するデータベースと実際の材料物性が異なる場合、それが結果に与える影響を理解することも重要です。最も正確なシミュレーションを行うには、必要な材料特性を知る必要があります。
OnScaleで一般的に使用される材料の種類と特性は次のとおりです。
- 線形弾性等方性(タイプelas)
- すべての軸方向で一貫した材料特性
- 必要最低限の特性は、密度、体積、せん断弾性率です。弾性率の代わりに音速も使用できます
- 異方性-圧電(タイプlean)
- 材料特性は、各軸方向で異なります。
- 圧電材料の正確な記述には、次のパラメーターが必要です。
- 密度
- 6個の剛性 [c] あるいはコンプライアンス[s] 成分
- 3個の圧電応力 [e] あるいは歪定数 [d]
- 2個の誘電定数 [εS]
- 非線形材料-生体(タイプtisu)
- 圧力レベルが効いてほど十分高い場合も、非線形効果も扱うことができます。。
- 追加の材料特性には、従来の線形弾性材料に対する追加の入力が必要です。
- B/A - B/A比(生体材料でもよく知らています)
- 最大圧力カットオフ- OnScaleでは圧縮が負であるような負の数
- 最小圧力カットオフ- 波の「急勾配」に対して非常に大きな正の数に設定
材料を正確に取り扱うためには、材料の減衰も定義する必要があります。OnScaleは、材料タイプに応じて、使用する多くの減衰モデルを提供します。
- 剛性減衰 - sdmpコマンド
- 質量減衰 - mdmpコマンド
- レイリー減衰 - rdmpコマンド
- 粘弾性減衰 - vdmpコマンド
定義方法は各減衰モデルで類似しており、次の情報が必要です。
- 材料の名前
- 減衰モデルの中心周波数
- 減衰オプションにより、減衰値の規則を設定できます-Q-factor(q); dB /距離(db)または臨界減衰の割合(crit)
- 疎密波減衰値
- せん断波減衰値
- 減衰値が測定された周波数
- 減衰が周波数によってどのように変化するかを制御する指数
- オプションがdbに設定されている場合のみ – 減衰値が達成される距離を設定
Designerモード
OnScaleは、Material Toolにて広範な材料物性データベースを提供しています。これにより、モデルで使用する材料物性を選択/編集/作成できます。選択した材料がModel treeに自動的に表示され、使用できるようになります。
Analystモード
材料を完全に定義するには、matrコマンドとそのコマンドのサブセットが必要です。
線形弾性材料 - バルクおよびせん断弾性率
matr
type elas
wvsp off
prop epoxy $density $bulkmod $shearmod
線形弾性材料 - バルク速度とせん断速度
matr
type elas
wvsp on
prop epoxy $density $vellong $velshear
異方性 - 圧電
matr
type lean
prop pmt3 $rho
$c11 $c12 $c13 0.0 0.0 0.0 $c11
$c13 0.0 0.0 0.0 $c33 0.0 0.0
0.0 $c44 0.0 0.0 $c44 0.0 $c66
piez pmt3 1 5 $ex5 2 4 $ex5 3 1 $ez1 3 2 $ez1 3 3 $ez3
elec pmt3 $epxx $epxx $epzz
axis pmt3 posy
非線形材料 - 生体材料
matr
wvsp on
type tisu
symb pmax = 2.e6
symb pmaxn = -2.e6
symb ba = 10.0
prop fatnl 928. 1427. 0. 0.01 0.0 0.0
$ba $pmaxn $pmax
減衰の定義 - dbオプションを使用した粘弾性減衰
vdmp epoxy $freqdamp db $attlong $attenshear $measuref $exponent $dist
減衰の定義 - qオプションを使用したレイリー減衰
rdmp piezo $freqdamp q $attlong $attenshear $measuref $exponent
グリッド/ CADへの材料の指定
材料を設定する準備が整ったら、メッシュまたはCADへ材料をしていきます。
Designerモード
GeometryセクションでCADパーツを選択すると、プロパティウィンドウでCADに材料を指定します。
Analystモード
siteコマンドは、材料をモデルグリッドに適用するために使用します。様々なPrimitive形状を使って形状を再作成することができます。siteコマンドは、ペイントキャンバス上のペイントブラシのように動作し、最後の材料が一番上に表示され、以前に同じ領域に適用された材料物性を上書きします。
c allocate materials to grid
site
regn watr /* assign watr to full grid
regn pmt3 $i1 $i2 $j2 $j3 /* assign material 'pmt3' to grid defined by nodal range
end