このチュートリアルでは、ブロックの中心に欠陥がある鋼ブロックのFull Matrix Capture(FMC)を通じて、2次元モデルを設定する方法を学習します。このチュートリアルでは、CADインポート機能を使用します。
水中のPZTディスク解析
- CADデータ読み込みから2次元モデルを設定する方法
- 時間依存の荷重を割り当てる方法
- 単純な形状を使用して2Dジオメトリを作成する方法
- 各要素での音圧を計算する方法
解析の概要
解析モデルの概要
解析モデル |
ブロックの中央に半径0.25mmの欠陥がある中央の寸法10mm x 18mmの鋼鉄ブロック。 2mmのギャップで区切られた8mm x 0.2mmの寸法の8つの要素 |
メッシュサイズ | 1波長に対して20要素 |
解析実時間 | 6e-05 [秒] |
解析結果 | 各要素での音圧の時間履歴 |
材料物性値
材料名 | Mild Steel, Generic |
OnScaleデータベース内の名前 | steel |
密度 | 7900 kg.m-3 |
バルク速度 | 5900 ms-1 |
せん断速度 | 3200 ms-1 |
Note: OnScaleの材料物性データベースでは、弾性率とポアソン比の代わりにバルク速度とせん断速度を値を使って定義しています。 両者の関係性について詳細を知りたい方は、ここのページをご参照下さい。
解析の目的
Full Matrix Capture(FMC)はは特定の超音波フェーズドアレイトランスデューサーのすべての送受信の組み合わせからのA-スキャン信号のキャプチャを可能にします。
たとえば、16要素のプローブの場合、プローブは16回パルスされ、256個のAスキャンが収集されます。このモデルは8つの要素を使用しており、そのうちの1つだけをパルスし、残りの7つで受信しています。これを完全にシミュレーションすると、64個のAスキャンを得ることができます。
得られたAスキャン信号から、このデータの後処理から画像を生成することが可能です。
解析のワークフロー
本セッションでは、各ステップ毎にワークフローを説明します。
Step1 - 新規プロジェクトの作成
- HomeタブにあるNew Projectをクリックします。クリック後、New Projectウィンドウが現れます。
- プロジェクトの名前を入力します。
- 必要に応じて、Project Fileの横にある … をクリックして、保存場所やプロジェクトファイル名を変更します。
- AnalysisでMechanical Dynamic選択します。
- Model Typeで2D Modelを選択します。
- Advanced にチェックを入れます。
- Distanceでmm選択します。
- 最後にOKをクリックします。
Step2 - CADデータの読み込み
Note: OnScale 1.30.3以降、この手順はNew Projectウィンドウから実行できるようになりました 。そのため、手順1と2を1つの手順として実行できます。
- ToolbarバーのImportアイコンを選択します。
- ...を選択し、ダウンロードしたファイル「FMC_2D.step」を開きます。
- Importをクリックします。
Step 3 - 材料物性の選択
- Project Materialsをクリックします。
- Miscを展開します。
- Vacmをプロジェクト材料データベースに追加(ダブルクリック)します。
- vacmを右クリックし、Copy Materialを選択します。
- OKをクリックします。
以上の手順により、METALにあるSteelを材料として追加します。
Step 4 - 条件設定の変更
- Setupをクリックします。
- Project Settingsをクリックします。
- Frequency of Interestにチェックを入れます。
- ドロップダウンメニューを展開します。
- Frequency of Interestに5e6を入力します。
Step 5 - 各パーツに材料物性を割り当てる
Steelを割り当てます。
- Geometryをクリック、展開します。
- part_9を選択します。
- materialにSteelを割り当てます。
vacmを最初の要素に割り当てます。
- part_8を選択します。
- materialにvacmを割り当てます。
vacmを他の要素に割り当てます。
- part_1からpart_7を選択します。
- materialにvacm2を割り当てます。
Step 6 - 駆動関数を指定する
駆動関数(時間関数)が必要です。時間関数としてRicker Wavelet駆動関数をを使用します。
- Forcing Functionsを展開します。
- '+' をクリックし、Define Input Time function windowを開きます。
- Ricker Waveletへ変更します。
- Frequencyに5e6を入力します。
- Insertをクリックしてウィンドウを閉じます。timefunc_1がウィンドウに追加されます。
Step 7 - メッシュサイズの指定
- Modelを展開します。
- Meshを展開します。
- Configurationをクリックします。
- DefinitionsでWavelength Basedを選択します。
- Elements per Wavelengthに20を入力します。
- Mesh Velocityを展開します。
- Mesh VelocityでDefinedを選択します。
- Mesh Velocity Valueに3200を入力します。
Step 8 - 荷重の指定
- Boundary Conditions展開、Loadsに横にある+をクリックします。
- Creation ModeでGeometry Interfaceを選択します。
- Geometryでpart_8 (vacm) を選択します(あるいはモデルをクリックします)
- Interfacing Itemでpart_9 (steel)を選択します。
- Amplitude Scale Factorで1を入力します。
- Create Loadをクリックします。
Step 9 - 境界条件の設定
以下のもの以外は、Free境界(デフォルト)のままにします。
- Domain Boundariesをクリックします。
- X Minimumを展開します。
- Absorbingへ変更します。
- X Maximumを展開します。
- Absorbingへ変更します。
Step 10 - 解析実時間の指定
- Analysisをクリックします。
- Simulation Timeに6e-6を入力します。
Step 11 - 計算結果出力の設定
各要素の音圧を取得する8つの時系列データの出力設定を行います。
- '+' を8回クリックします。
output propertiesを変更します。
- output_1をクリックします。
- Location (mm)を展開します。
- Xに5.4を入力します。
- Yに10を入力します。
同様に、他については以下の座標を入力します。
X | Y | |
output_2 | 6.4 | 10 |
output_3 | 7.4 | 10 |
output_4 | 8.4 | 10 |
output_5 | 9.4 | 10 |
output_6 | 10.4 | 10 |
output_7 | 11.4 | 10 |
output_8 | 12.4 | 10 |
Step 12 - クラウド上で解析実行
モデルの設定が完了しましたので、クラウド上で解析を実行します。
- Run on Cloudをクリックします。
- Estimateをクリックして計算で消費するコア時間(概算)を算出します。
- Runをクリックします。
解析結果ファイルをローカルマシンへダウンロードする方法
計算終了後、解析結果ファイルをローカルマシンへダウンロードする必要があります。ダウンロードは結果処理を行うために必要です。
- Storageをクリックすると、以下のウィンドウが表示されます。
- Refreshをクリックします。
- Jobから計算した解析モデルを選択します。
- Downloadをクリック、Download Allを選択します。
Step 13 - 結果処理を行う
Post Processorモードへの切り替え
- Post Processorへ切り替えるためにアイコンをクリックします。
解析結果ファイルを開く
- ダウンロード先のフォルダを指定します。
- 指定したフォルダを展開します。これは1になります。
- flxhstをダブルクリックします。
- Results Managerをクリックします。
時刻歴グラフの表示
- aprsをダブルクリックします。
他の時刻歴グラフの表示
- aprsをダブルクリックします。
- グラフのタイトルをAcoustic Pressure on All Elementsへ変更します。
- Y軸ラベルをAcoustic Pressureへ 変更しあす。