ブロック状ピエゾセラミックスの解析

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このチュートリアルでは、バッキング層とマッチング層を使用して単純な2Dトランスデューサモデルを作成し、インピーダンス、指向性、及び送信感度を解析します。

このチュートリアルの主な内容です。

  • OnScale Designerの基本的な作業フロー
  • 3次元モデルの指定方法
  • プリミティブ形状の作成方法
  • 圧電材料のシミュレーション方法
  • インピーダンスの計算方法
  • モード形状のプロット方法

対応バージョン: OnScale 1.28.10

※PZTとは: チタン酸ジルコン酸鉛は、化学式Pb [Zr x Ti 1-x] O 3(0≦x≦1)の無機化合物で、白からオフホワイトの固体です。著しい圧電効果を示すセラミックペロブスカイト材料で、電界が印加されるとその形状が変化します。 超音波トランスデューサーおよび圧電共振子のような多くの実用的な用途で使用されています。

解析の概要

解析対象はブロック状のピエゾ素子です。素子の両面から電圧が印加されています。インピーダンス、及び高周波モードでの形状を解析します。形状の対称性により、解析は1/4モデルで実施します。

圧電セラミックスは多くのトランスデューサや共振器の主要材料であり、それらの挙動を正確に解析できることは非常に重要です。計算結果を検証するため、実測のインピーダンス応答からの共振が一般的に使用されます。

表1: 解析モデル、及び解析結果の概要

モデル:

20 mm x 14 mm x 2 mm

メッシュサイズ:

0.1 mm

出力結果:

- グラフ(インピーダンス)
- コンター図(高周波モード形状)

Model.png

解析で使用する材料物性を示します。

表2: 材料物性値

項目 材料物性値
材料名  CTS 3203HD
OnScaleデータベース内の名前  pmt3
密度  7820 kg.m-3
バルク速度  4708.36 ms-1
せん断速度  1687.891 ms-1

注: OnScaleの材料物性データベースでは、弾性率とポアソン比の代わりにバルク速度とせん断速度を値を使って定義しています。 両者の関係性について詳細を知りたい方は、ここのページをご参照下さい。

解析のワークフロー

 本セッションでは、各ステップ毎にワークフローを説明します。

Step1 - 新規プロジェクトの作成

  1. New Projectをクリックします。
  2. プロジェクトの名前を入力します。(ここでは、PZT_Block)
  3. 距離の単位系をmmに変更します。
  4. ファイルを保存しておく作業フォルダを選択します。
  5. 最後にOKをクリックしパネルを閉じます
1_Project.png

Step2 - 材料物性の選択

  OnScaleに搭載されている材料物性データベースから、CTS 3203HDを選択します。

  1. Project Materialsをクリックし、材料物性データベースを展開します。
  2. 左のGlobal DatabaseにあるPiezoelectricを展開し、CTS 3203HDを選択します。展開はPiezoelectricの左隣にある>をクリックするとできます。
  3. 右矢印をクリックします。
  4. Doneをクリックしてパネルを閉じます。

2_Material.png

Step3 - 形状の作成

Designerにはプリミティブ形状を作成する機能があります。この機能を使用して3次元モデル形状を作成します。

  1. PrimitivesのCuboidをクリックします。クリック後、Primitivesのツリーの下にprimitive_1が作成されますので、primitive_1をクリックします。
  2. GUIの左下にprimitive_1の設定項目が表示されます。PropertiesにあるMaterialをpmt3へ変更します。
  3. End(mm)を展開し、X(mm), Y(mm), Z(mm) にそれぞれ10.0, 7.0, 2.0を入力します。

3_Prim.png

Step4 - PZTブロックに入力する(電圧の)波形の指定

電圧の指定ではありません。波形だけの指定になります。波形は時間の関数として指定しますが、ここではRicker Wavelet関数を使用します。

  1. Forcing Functionsのタブを展開します。Timeの横にある+をクリックすると、Define Input Time functionが開きます。
  2. プルダウンメニューからRicker Waveletを選択します。
  3. Insertをクリックしてパネルを閉じます。Timeの下に、timefunc_1のツリーが新規作成されます。

time.png

Step5 - メッシュサイズの指定

波長あたり15要素で分割するようにメッシュサイズを指定します。

  1. Model、及びMeshを展開します。Meshツリーの下にあるConfigurationを選択します。
  2. PropertiesにあるDefinitionsでWavelength Basedを選択します。
  3. Element per Wavelengthに15を入力します。

mesh_wavelength.png

Step6 - 電極の指定

このステップでは、PZTブロックの下部と上部に電極を作成します。以下で作成するload_1は上部の電極になります。上部の電極にForcing Functionsで指定したtimefunc_1の(電圧)波形が指定されます。 load_2は下部の電極で、Groundとして設定されます。

上部の電源(load_1)を設定します。

  1. Boundary Conditionsを展開します。Boundary Conditionsの下にLoadsがありますので、Loadの隣にある+をクリックします。クリックすると、Load Definitionが開きます。
  2. Creation ModeのプルダウンメニューでGeometry Interfaceを選択します。
  3. Geometryのプルダウンメニューでprimitive_1 (pmt3)を選択します。
  4. Interfacing Itemのプルダウンメニューでside 6 (zmax)を選択します。
  5. Create Loadをクリックしてパネルを閉じます。

4_Load.png

下部の電源(load_2)を設定します。

  1. Boundary Conditionsを展開します。Boundary Conditionsの下にLoadsがありますので、Loadの隣にある+をクリックします。クリックすると、Load Definitionが開きます。
  2. Creation ModeのプルダウンメニューでGeometry Interfaceを選択します。
  3. Geometryのプルダウンメニューでprimitive_1 (pmt3)を選択します。
  4. Interfacing Itemのプルダウンメニューでside 5 (zmin)を選択します。
  5. Create Loadをクリックしてパネルを閉じます。

5_Load.png

作成した上部の電極(load_1)と下部の電極(load_2)の設定を行います。

  1. load_1を選択します。
  2. Load TypeでVoltageを選択します。
  3. Area Scalingに4.0を入力します。
  4. Terminationでtimefunc_1を選択します。
  5. Amplitude Scale Factorに1を入力します。

6_Load_Setup.png

 load_2を選択します。

  1. Load TypeでVoltageを選択します。
  2. Area Scalingに4.0を入力します。
  3. TerminationでGroundを選択します。

7_Load_Setup.png

Step7 - 境界条件(対称面)の設定

本チュートリアルでは、実際のPZTブロックの1/4のみをモデル化しています。対称面を対称境界に指定します。

  1. Boundary conditionsを展開し、Domain Boundariesをクリックします。
  2. PropertiesのX Minimumを展開します。Boundray TypeをSymmetryへ変更します。 
  3. Propertiesのy手 Minimumを展開します。Boundray TypeをSymmetryへ変更します。

8_Boundary.png

Step8 - 解析計算時間の指定

解析計算は、実時間で1E-4[sec]まで計算を行います。

  1. Analysisをクリックします。
  2. Propertiesを展開し、Simulation Run Timeに1e-4を入力します。

9_Analysis.png

Step9 - 計算結果出力の設定

コンター図(高周波モード形状)の出力を設定します。

  1. Outputsの横にある+をクリックします。
  2. Propertiesを展開し、Output TypeをShape Dataに変更します。
  3. Frequency (Hz)に7.0e+4を入力します。

10_Output.png

Step10 - クラウド上で解析実行 

 モデルの設定が完了しましたので、クライド上で解析を実行します。

  1. Run on Cloudをクリックします。
  2. Estimateをクリックして計算で消費するコア時間(概算)を算出します。
  3. 8コアを使って並列計算を実行します。2CPUsを選択します。
  4. Runをクリックします。

11_Cloud_Scheduler.png

解析結果ファイルをローカルマシンへダウンロードする方法

計算終了後、解析結果ファイルをローカルマシンへダウンロードする必要があります。ダウンロードは結果処理を行うために必要です。

  1. Storageをクリックします。
  2. Jobのプルダウンメニューからジョブ名を選択します。
  3. Downloadをクリックします。
  4. メニューが開きます。Download Allを選択します。
12_Storage.png

Step11 - 結果処理

結果処理はPost-processorで行います。

DesignerからPost-processorへGUIをスイッチ

アイコンをクリックして、Post-processorのGUIへスイッチします。 

ppswitch.png

インピーダンス(グラフ)のプロット

  1. File Explorerで.flxhstをダブルクリックし、解析結果(時間履歴)をResults Managerに読み込みます。
  2. load1をクリックします。
  3. リボンメニューからImpedanceをクリックします。
  4. Freqency Historyの下に、Impd:load1.ampがあらわれますので、クリックします。

13_Impedance.png

高周波モード形状(コンター図)

  1. File Explorerで、.flxdatoをダブルクリックします。
  2. Data Out→PZT_Block-shape→Grid→Mode Shapesに行き、yvelをクリックします。
  3. リボンツリーModel Graphicsを選択、リボンメニューSymmetryをクリックすると、1/4モデルがコピーされ全体形状が表示されます。
  4. yvelをクリックします
  5. Playアイコンをクリックして、モード形状をアニメーション表示します。

15_Mode_Shape.png

もしプロットする際にImcompatible Viewsパネルが表示されたら、Continueをクリックして下さい。

14_Switch.png

まとめ

このチュートリアルでは、1/4モデルを用いて軸受の静解析を行いました。チュートリアルの内容や、モデルファイル等が必要でしたら弊社サポートまでお問合せ下さい。

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