11行のコードで行う波動伝播解析

Analystモードではスクリプトを使って解析モデルを作成し、解析モデル作成と計算実行の両方に柔軟性を提供しています。また、Reviewでも使用できる幅広い機能を提供します。解析モデルのスクリプトで書かれているコマンドの量が多いのですが(例:ここで見られるほとんどのサンプルモデルは 通常100行を超えるコードを使用しています)、構造解析や圧電解析に関わらず、解析モデル作成では共通のコマンドを使用するため、解析の種類が違っても共通のコマンドを使用します。

 

ここでは、可能な限り最小限のコードでどのタイプのモデルを作成できるかを確認します。

10行のコマンドと7つのサブコマンドのみを使用して11行のコードで鋼中の波の伝播する解析モデルを作成しました。モデル入力ファイルに表示される各コマンドについて説明します。

GRID - GRIDコマンドを使用して、計算グリッドを構成するノードの数、モデルの次元数(この例では2次元)、および適切な制約関係を定義します。 通常、この例ではモデルの寸法を定義し、その寸法を使用してキーポイントを設定しますが、x方向とy方向に400個のノードで構成されるモデルを作成し、これを2次元モデルにしています。 3個目の整数値を追加すると、3次元グリッドが作成されます。

GEOM - GEOMコマンドは、メッシュのIJK領域内に直交メッシュを生成するために使用されます。 グリッドの通常の動作と同様に、これはキーポイントを使用して定義されます。 この例では、XCRDおよびYCRDサブコマンドを使用しました。これは、標準パーティションノードのX軸とY軸に沿ったグリッドの離散化を定義するために使用されました。 基本的に、このコマンドとGRIDコマンドを組み合わせると、xとyが0.1mの正方形の領域が作成され、各方向に400ノードが存在するため、要素のサイズは250umになります。

MATR - このコマンドは、材料特性を定義するために使用されます。 材料データベースで参照可能な材料を選択でき、簡単に編集することも可能です。

 

SITE -  このコマンドは、グリッドに材料特性を割り当てるために使用されます。 材料特性は、ユーザーが手動で定義します。これは、この例で行われていることです。

FUNC - FUNCコマンドを使用して駆動関数を定義します。 既存の関数を使用することができ、現在利用できるのは7つの関数です(例:リッカーウェーブレットと正弦波パルスなど)。外部データとしてユーザー定義の時間関数を読み込むオプションもあります。 ここでは、周波数1MHz、振幅値1を中心としたリッカーウェーブレット関数を使用しています。

BOUN - BOUNコマンドを使用して、グリッド境界面に境界条件を割り当てることができます。 定義されたリッカーウェーブレット入力関数は、単に 'func'を呼び出すことで、スクリプト全体で呼び出して使用できます。 したがって、BOUNコマンドを使用しているときにここで行っているのは、時間関数をその側に適用し、yminにモデルをロードすることです。 通常、BOUNコマンドは、対称、吸収、固定、自由などの境界条件を定義するために使用されます。 OnScaleにはさまざまな境界条件があり、AnalystおよびDesignerモード内のモデルの領域に対して自由に定義できます。

PRCS - すべてのモデルでPRCSコマンドが必要です。 コードが正しく設定されていることを確認し、実行中に計算されたすべてのデータを保持する配列を初期化します。最も重要なのは、メッシュとマテリアルに基づいてジョブを実行するために必要なタイムステップを計算します。 これがないと、モデルを実行できません。 EXECコマンドは、PRCSによって決定された時間ステップを使用するため、PRCSコマンドがない場合はエラーを返します。

 

EXEC - EXECは、モデルの応答を計算するために使用されます。 通常は、計算実時間を知っているか、自分で計算することができます。 通常、PRCSステップの後にプロットループを設定して、モデルが入力にどのように影響するかを視覚化します。Analystのチュートリアルでは、プロットループを適切に設定する方法を示します。

 

GRPH - GRPHコマンドは、計算モデルと計算結果をインタラクティブにグラフィック表示します。 また、PostScript画像ファイルのインタラクティブモードまたはバッチモードで生成します。 OnScaleの前進のソフトであるPZFlexに精通しているユーザーは、TYPE STNDグラフィックスを呼び出すことにより、Flexを使用するグラフィックスを呼び出すこともできます(ここではこれを行いません)。 ソルバーはいくつかのデータ配列を自動的に計算し、速度配列xvel、yvel、zvelはすべて自動的に計算されます。通常、CALCコマンドを使用して出力を計算する必要があります。 この例では、GRPH PLOTコマンドを使用して、配列yvelをグラフィカルに表示しています。

TERM - 実行プロセスを一時停止するために使用するコマンドです。このコマンドがないと、プロットがすばやく点滅し、プロセスが続行されるまでグラフィックが開いたまま閉じられます。 termに達した後でプロセスを続行するには、「Run local」を再度クリックするか、コンソールに「t」を入力します。

 

さらに多くのコマンドとサブコマンドの情報は、コマンドレファレンスをご参照下さい。これはPCにインストールされており、Analystモードの画面から開くことができます。

 

ファイル

以下のリンクから解析モデルファイルををダウンロードしてください。

ダウンロード: OnScales Wave Example