積層圧電体 モンテカルロシミュレーション

モンテカルロシミュレーションは、膨大な数の変数がある複雑なモデルに対して、シミュレーションを使用して計算結果の確率をモデル化する統計的手法です。 トランスデューサの性能は、多くの設計変数の影響を受けます。

ここでは、トランスデューサーのPZTの厚さと整合層の厚さの両方を変化させて、設計空間と、主要な性能がどのように関連するかを検討します。

解析モデルの概要

解析モデルと2つの入力変数の概略図を以下に示します。

model.png

 

解析モデルでは、次の設計変数を変更することができます。PZTの厚さと一致する層の厚さは、ランダムに変化する設計変数として設定されています。(*で示されます)

設計変数 説明 デフォルト値
pzt_rad  PZTの半径  60 mm
pzt_thk * PZTの厚さ 10 mm
thkMat * 整合層の厚さ 3.2 mm
back  バッキング層の厚さ 30 mm
water 水の厚さ 50 mm
steel リフレクターの厚さ 40 mm
gap ハウジングの幅 30 mm

1000個のランダムな入力変数に対して、以下の制約を設けました。

  • PZTの厚さ: 10 mm ± 4% 
  • 整合層の厚さ:3.2 mm ± 3.125%

モンテカルロシミュレーションの結果

各シミュレーションは16つのコアを使用してました。すべての解析は11分で完了し、全部で31.47コア時間を使用しました。

シミュレーションの出力を使用して、中心周波数、感度、周波数帯域幅などのKPIを計算できます。 次に、入力と出力をさまざまな方法でプロットして、デバイスのパフォーマンスを把握できます。 結果はMATLABを使って表示されています。

 

 

dist1.png
入力パラメータの自己相関
dist3.png
KPIの自己相関
dist2.png
入力とKPIとの相関

解析モデルでお試し下さい。

ここで紹介したモンテカルロシミュレーションを行うためには、OnScaleおよびMATLABファイルが必要です。以下のリンク先からダウンロードしてください。

ダウンロード: Monte Carlo Files

  1. ダウンロードしたファイルを解凍し、フォルダからすべてのファイルを取り出します。
  2. Open monte_carlo_pre_v1.mを開いて実行します。
  3. OnScaleを起動し、Cloud Schedulerを開きます。 
  4. 入力ファイルとしてPZT_2D.flxinpを選択します。
  5. Parametric Sweepにあるドロップダウンから、ユーザー定義変数ファイルを選択します。
  6. Input Filesの横にある... を選択し、simdata.csvを開きます。
  7. Estimateを実行後、Runをクリックします。
  8. すべての *.flxhst をダウンローします。 
  9. mat_fft.revinpを開きます。
  10. 変数tdirにダウンロードされた結果フォルダー名を入力します。
  11. Runをクリックします。
  12. monte_carlo_post_v1.mを開き、Runをクリックします。